プログラマーの三大美徳は怠惰・短期・傲慢

現在激烈に就職活動中なわけですが、特に日系のコンサルティングファームなんかのインターンシップを中心に「意識高い」系の宣伝文句がならんでいる。
「トップを目指す」、とか「圧倒的な成長」とか。インターンシップ体験談を見ると、「大変だけど成長できた」系のコメントが必ず一件はある。
学生同士の会話でも、激務だけど成長はできる、とか優秀な人達がいるから刺激が受けられるとかいっている人たちを聞く。

しかし、大変な環境に身をおくと成長できる、というのは幻想にすぎないのである。

筋トレをしている人は知っていると思うが、筋トレをするとどうして筋肉が増えるのかというのを考えるとわかりやすい。トレーニングによって筋肉を傷つけることで、人体はその部分の筋肉をより強くしたほうがいい、と判断する。傷ついた筋肉は48時間程度の時間をかけて回復するのだが、その際に傷つく前よりも筋繊維を増やすことで、筋肉が増えるのである。(超回復)
つまり、バーベルを持ち上げたり自転車を漕いだりするのは単なる刺激であって、実際に筋肉が増えているのは休息時間なのである。
このことを忘れて、とにかくトレーニングトレーニングとしていると、筋肉を傷つけるだけで増やすことができないどころかむしろ減らしてしまう。

ステロイドがないときのジャック・ハンマーを思い浮かべれば

  
「筋トレと頭脳労働は違うだろ」というツッコミも聞こえてきそうだけれども、勉強だって睡眠を取らなければ効果が薄れるんだし、エッセンシャルな部分は共通しているだろう。昔の受験生は四当五落(五時間も睡眠をとっていたら落ちる。合格したいなら四時間まで睡眠を削って勉強しろ!)という言葉を使っていたそうだが、これは全くもって誤った考え方である。睡眠は最低でも六時間以上取らないとパフォーマンスが落ちます。
あらゆる分野で成長をするためには、多すぎずも少なすぎずもなくしかもエビデンスもとれているトレーニングと、十分な急速が不可欠なのである。



コンサルティングファームなんて、お受験エリートの高学歴ばっかりを集めているところである。高校時代野球しかしてなかったような体育会系ならわかるが、高学歴層がどうしてこういう馬鹿みたいなものに釣られるかというと、子供の頃に通っていた塾で「とにかく頑張れば頑張っただけ結果は出る」という中世ジャップランド的思想を植え付けられて、しかもそのもとで成功体験をしているからなんだと思う。
塾講師なんて大体が教え方について理論的に勉強したわけでもない大学生とその延長なんだから、とにかく勉強させとけば成績も伸びるはず、伸びなかったらそれはそいつの努力が足りないからだ程度の考え方しかしていない。
東大に合格するのは多少は難しいのかもしれないが、プロスポーツリーグでトッププレイヤーになるのに比べたら何千倍も簡単。だから間違った努力のゴリ押しで入ってくる人もごろごろいるのである。しかも、それでなまじ成功しているから自分の努力は間違っていたということに気が付けない。
東大野球部の例がそれを裏付けていると思う。(参照:“最弱”チームは変われるか ~桑田と東大野球部~

大学生くらいになっていかにも自分遊んでます、みたいな連中も、子供の頃にそういう催眠をかけられているもんだから一旦スイッチが入ると昔に戻ってしまう。大学時代も体育会系なんていうのになるともう目も当てられない。

要するに日本のブラック体質というのは体育会系よりもむしろ学歴エリートのほうが原因になっているという仮説なのだけれども、どうだろうか。

その点、いわゆるAO入試がAHO入試なんていって叩かれているが実はこれは希望なのではないだろうか。「世の中って意外とちょろいなぁ~ 適当にやっててもなんとかなるっしょ」みたいな思想を持つ人々が学歴エリート界を侵食することで、ブラック体質が改善されるのかもしれない。