ホームサーバー 構想編

うちには、余っているハードディスクがいくつかある。
基本的にパソコンを処分するとき、ハードディスクだけはデータ移行忘れの可能性もあるし、個人情報を復元される恐れもあるので取り外しておくのだが、それで外したものが多い。

うちは今全部ノートPCであるので増設するか、というわけにも行かないし、捨てるにはもったいない。大昔のIDE接続の30GBとかのものはさすがに処分したが。
かといって使い道があるわけでもない。ケーブルテレビチューナー兼レコーダーに増設出来ればいいのだが、残念ながらそういう機能はこれにはないようだ。

そんなことを頭の片隅においていながらネットサーフィンをしていたら、pogoplugというものを見つけた。SATAやUSBでハードディスクやフラッシュメモリーをくっつければ、「パーソナルクラウド」になるというものである。
要するに、自分でサーバーとストレージを購入・管理して電気代を払う必要はあるが、事実上容量無制限のDropboxを作れるというもの。
ソフトウェアの方はそんなに高機能ではないので、勝手に同期してくれるDropboxのような洗練性はないようだが、pogoplugは大容量のファイルをたくさん放り込んでおいて必要な時だけ参照、という用途に適していそうだ。そういう使い方なら、いちいち同期されたらPCのハードディスクが圧迫されてしまうし、なくてもいいだろう。

うーんこれちょっといいな、と思ったのだが、別にこんなのを使わなくてもいいんじゃない?と思った。Linuxが動いて、ネットワークが使えて外部ストレージが使えるデバイスならなんでもいいじゃん、と。
pogoplugのような独自方式でではなくWebDAVなど汎用性の高い方式を使えたほうが便利だろうし、rsyncを定期的に走らせて準同期型クラウドなんていうのもできちゃうかも…。
自炊した本は今のところ全部Evernoteにつっこんであるわけだけれども、そういうのを突っ込んどけばファイルサイズ制限もないしいいじゃないか!ついでに音楽ファイルをつっこんどいてメディアサーバーにしちゃうのもええやん!
夢がひろがりんぐだ。

幸い、うちには余ってる「そういうデバイス」がある。そいつらを使ってできないだろうか???
というわけで、どれを使うか考えてみた。

要求スペックとしては
1.省電力。
2.有線ネットワークアダプター。
3.USBポートが有る。
くらい。

1.NOKIA N900



知っている人は知っている、Maemoなスマートフォンである。スマートフォンといっても、UIが多少モバイル向けになっているだけで実質純Linuxマシンである。(AndroidのようなカーネルだけLinuxとかじゃないという意味)
Debianベースなので、ソフトウェア資産も豊富であり、サーバー構築は一番簡単にできそうだ。CPUはARM系だし、もともとモバイル機器なのだから消費電力は申し分ない。本体には有線LANポートがついていないが、USB-イーサネットコンバーターが使えるためネットワークアダプタも問題ない。
しかし、USBポートが充電用ポートを兼ねたものひとつしか無いため、充電しながら外部デバイスを使うことができないのである。(ハブを使えばデバイスは複数つなげる)
バッテリー用の端子に直接3.3VのACアダプタを付けてみればどうだろうか、と検討中。
また、ちょっと…いや今のIT機器の進化スピードを考えたら「かなり」古いデバイスであるため、処理能力も心配だ。
サーバーで3Dゲームをやるわけではないのだが、サーバーなんて立てたことがないのでどの程度の処理能力が必要なのかわからないのである。
まぁでも、一番期待できるのがこれである。

2.中華ネットブック

キーボードの打ちやすさはなかなかだったが、バッテリーの持ちがあまりにわるくて引退状態になっていたこいつ。OSはAndroid4.0だ。あとあと調べると、バッテリーの容量は2000mAh以下らしい。
サイズがでかい分、独立した充電用ポートにフルサイズのUSBポート*2、無線のみならず有線LANジャックもついていて外部ストレージにはフルサイズSDカードが使えるというなかなかよさげな感じ。
しかーし!Androidは外部ストレージではFAT32までしか扱えないらしいのだ。NTFSは一部メーカーは独自に対応させているらしいが、こいつは無理そう。ext4はシステムで使っているから読めるはずだが、どうもうまくいかない。
また、サーバーをたてるソフトウェアも微妙。USB接続をする代わりに一時的にサーバー化してファイル転送、みたいな用途では使えそうなソフトウェアこそあれ、連続的に稼働させるぜ!って感じのはなさげ。
こいつはWM8850というSoCを使っているのだが、前のモデルはWM8650を使っていたようだ。このWM8650仕様の方はHackが進んでいて、Arch Linuxをインストールしたぜ!とかDebian動いたぜ!
といった報告が上がっているが、WM8850世代のはないようだ。(ないことはないが、 Build your Emdebian Grip for ARM (WM8850 support))
ハードウェア的に優れているのに、OSがね…。

3.DELL XPS M1210


いまは一人暮らしの友人宅に放置してある、Core 2 Duo T5500とかいう今となっては化石みたいなCPUを積んだノート。もともと母親が使っていたものを、リプレースした時にもらったが使い道がなく前述の状態にある。
「ホームサーバー」で検索したら、「使ってないPCをホームサーバーに」とか「古いPCをホームサーバーとして復活」とかいっぱい出てくるように、古いPCをホームサーバーとして使うのはホームサーバーの「王道」といってもいいだろう。
もちろんUbuntuなどリッチなLinuxは動くし、拡張性も申し分ない。ネットワークアダプタの品質もいいだろう。
だが、いくらモバイル向けとはいえx86PC。上2つARM系デバイスに消費電力面で大きく劣る。もちろんその分熱も出るし、冷却するためにファンも回す必要がある。そこまでして欲しい訳じゃない。
そういうことを考えたら、こいつは却下。
でも、Linuxマシンとしてサーバーの管理には使えそうなので、そろそろ返してもらおうかと。


とりあえず、現段階ではN900が本命。
でもどれでやるにせよ、2ヶ月は忙しくてやってる暇ないので、しばらく保留。