人民手机事情

今回の中国旅行の目的の1つに、深センでSIMフリーのスマートフォンを買ってくるというものがあった。
これまで海外に行くときは台湾は台北、獅子林ビルで買ったMTO MK399(参考: 智慧型手機 MK399 )というのを使っていたんだけど、さすがに2年たってバッテリーもへたりにへたっているし、なによりこれ。

ヴィクトリーにはこういう使い方もあるんだ!

分離してゴミが入ってしまったかテンションが掛かってフレキケーブルの接触がおかしくなったか知らないけどタッチパネルの誤作動もひどい。。

というわけで、深センに行った記念もかねて一台買ってこようと思っていたのであった。

  しかし、結論を先に言うと中国でスマートフォンを買うのはあんまり良くない。。。

理由1 通信方式の違い


中国には3つ通信キャリアがある 。このキャリアはそれぞれ通信方式が異なっており、日本をはじめアジア諸国ややヨーロッパで広く使われている3GにUMTS(W-CDMA)、4GにFDD-LTEという方式を採用しているのは中国聯通のみ。
中国最大のキャリアは中国移動で、ここは3GにTD-SCDMA、4GにTD-LTEという独自規格を採用している。このため中国移動用につくられた携帯は他国で使うことができない。

行く前は「3つキャリアがある」という情報しか持ってなかったので、聯通向けの機種も普通にうられているんだろうと思っていたんだけど、どうやら事情が違った。中国の携帯市場は「3大キャリア」ではなく、ほぼ中国移動の独占市場で7,8割のシェアをもっているという。このため深センだろうがどこだろうが、売っている携帯はほとんど中国移動用のもの。
(ちなみに中国国内では3Gはあまりつながるところが無いらしい。3G回線の普及が遅れずっと2G回線が主流だったところに急速に4Gが普及したため、3Gの基地局はあまりないんだとか。)

 

理由2 そんなにおもしろいのが売ってない


中国に行って驚いたのが、iPhoneのシェアの高さ。しかもみんな最新機種を持っている。もっとも平均所得が高い上海でも年収300万円程度が当たり前、普通の都市ならその半分程度、さらに農民工なんかだと年収20万円もありえるという状況で、10万円近いものを毎年のように買い換えて使うって結構異常だと思うんだけど。
一緒に回った留学生に聞くと、みんな生活を切り詰めて何ヶ月も貯金して買うらしい。

iPhone以外だとXiaomi、Huawei、OPPO、サムスン…という感じだろうか。メジャーどころのものしか見かけない。あとはvivoというところが結構CMうったり路面店を構えていたりするので、気が付かなかっただけで使っている人は多いかも。
vivoはともかくとして、XiaomiやHuaweiはもう世界的にも有名なメーカーになってしまったので、そんなに深セン土産感が出ない。

開発費の高騰、そしてXiaomiのような低価格で「ちゃんとした」ものを売るメーカーが出てきたおかげで、いわゆる「中華スマホ」や「中華タブレット」のメーカーの撤退が相次いでいるらしい。同様に偽iPhoneなんかももう売れなくなってきているんだろう。(Xiaomiクラスになると、どうも「中華スマホ」という表現は合わないですねぇ)そういうこともあってか、期待してた山塞機天国みたいな光景はもうみられなくなっているのかもしれない。


理由3 値段がそんなに安くない


深センの電気系ショッピングビルでは基本的に価格はすべて交渉で決まる。しかしこのプロセスは最初ぼったくり価格を提示されるが交渉次第で適正価格にまで下がるというだけのもので、そんなに安くならない。ぶっちゃけほとんどの場合はAliExpressで同じものを探したほうが安い。(売り子は歩合給なので、うまくぼったくり価格で売ることができればその分給料が上がるんだそう)
しいて言えばその場で手に入るというのはいいところ。携帯の保護フィルムなんかはサービスで貼ってくれるんだけど、熟練の業をみせてもらってプロはこうやって張るのか~と感心した。


実のところはXiaomiのRedmi 2を買ってしまったんだけどこれが大失敗。
聯通のSIMカードを見せてOKだと言われたから買ったんだけど、あれは2Gなら使えるからOKでしょ、という意味だったらしい。(移動も聯通も2GはGSM)
いやーやられました。

サイズ感とかはいいんだけどねぇ