日の下には新しきものあらざるなり 上

ComicInfoEditor、見た目はともかくついに目標としていた機能の実装は終わり、 初のメジャーリリース()が大々的になされた。
…といいつつ今回はその話ではない。その話はComicrackの仕様との兼ね合いでいろいろとアレな部分があるので、ちゃんとドキュメントを書こうと思う。なのでしばらく先になるかな、と。

今回は、この同人誌半自動タグ付けソフトのような革新的で世の中の人々の暮らしを大きく変えるイノベーティブなソフトウェアがどのように生み出されているのか、つまり開発環境についての記事である。
工具についても多少こだわりがあるのと同様に、開発環境についても語りだすと長くなるので前後編になりそうだ。

  

まず、最近エンジニアにはMacを使っている人が多いが僕が使うのは全部Windowsである。
「これからぷろぐらみんぐとかやってみたいんだけど、まっくのほうがいいのかな?」なんて思っている人はぜひWindowsで開発をはじめよう。
Macのほうが多少環境構築が楽とはいえ、あんなおもしろみのない銀色の箱に向かっていてもクリエイティブなアイデアは生まれませんよ。


まず、シェル・ターミナルについて。
とりあえずはじめに入れるのはGit for Windowsである。これ、名前を見ただけではGitだけが入っているのかと誤解してしまうが、実はGitを使うためのツール群が一緒に入ってくるのである。bashを始め*n*x系のツールがパックになってついてくるのでCygwinだとかMinGWだとかで一から自分で環境構築していくという面倒事に巻き込まれない。(Git for WindowsはMinGWを含んでいる)
Linuxをメインで使っていた時期がそれなりにあるので、コマンド操作に関してはWindows流の操作よりも*n*x流のほうに慣れ親しんでおり、cd /c/Users/john_doe/hmangaみたいな感じでディレクトリ移動ができるのが非常にありがたい。

Git for windowsにも端末エミュレータはついてくるけれども、これは少々使いづらい。
そこでConEmuを使っている。でもConsole2とか他にもよさげな端末エミュレータはいろいろあるし、端末エミュレータは好きなのを使えばいい。僕がConEmuを使ってるのは、単にはじめに使い始めた奴に慣れちゃったから変えてないだけである。

次はテキストエディタ。
基本的に開発はIDEでやっちゃうのでエディタの重要度はそこまで高くないんだけれども、Githubの作ったAtomというのを使い始めた。
このエディタの特徴は、文字コードはutf8しか扱えず、改行コードもLF固定である点。(もしかしたらどっかで変えられるのかも)
むしろデメリットでありそうな この特徴だが、実は理解していればメリットになると思う。
開発関係では、Githubでホスティングするプロジェクトのコミットログを書く時などなどutf8でLFであることが必要、または推奨されるテキストを書くときがある。(先日のハッカソンでは、Macで書かれたNode.jsのスクリプトを僕が編集た結果行によってLFとCR+LFが混在するファイルになってしまってサーバーが動かなくなったことがある。)
こういう場合Shift-JIS、CR+LFが標準である普通のWindows用エディタでは、わざわざ保存時に文字コードと改行コードを変更する必要がある。これを結構忘れてしまうのだ。
その点Atomを使ってテキストを書けば勝手にutf8でLFになるので楽。
もちろんShift-JISのファイルも編集できないと困るので、サブにサクラエディタも入れてある。

このAtomをインストールしたディレクトリにパスを通しておくと、端末にatomといれるだけで起動できるので非常に便利。.gitconfigにもeditor = atomと書くだけで済んでしまう。
残念ながらWindowsのディレクトリ構造は大変出来がよろしくないので、いちいち環境変数Pathに追記しなければならずとても面倒なのだけれども、Rapid Environment Editor というソフトを使うと簡単に編集できる。これは便利なので入れておこう。

(続く)