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狙いうち

雑記/思考の軌跡 雑記/オカルト・陰謀論
最近、母方の祖母(乳癌経験、十年くらい再発なし)が「医者に殺されないための47の心得」に影響されたっぽくて、なんかそれらしきことを言っている。

世間にも信じちゃっている人は多いみたいで、最近は割と医師の側も反論するコラムを新聞にせっせとのせて新たな犠牲者を増やさないようにがんばっているようだ。(自分の仕事を貶されたら腹が立つものでしょう)

リンダ問題というものがある。
リンダは31歳、独身で、意見を率直に言い、また非常に聡明です。彼女は哲学を専攻していました。学生時代、彼女は差別や社会正義の問題に深く関心を持ち、反核デモにも参加していました。
この文章を読んで、下のどちらの選択肢がより「ありえそう」な選択肢を選ぶ。
1.リンダは銀行の出納係である。
2.リンダは銀行の出納係であり、フェミニスト運動の活動家である。
すると、多くの人間が2を選んでしまうというものだ。
しかし当たり前だが、銀行員の人数と銀行員かつフェミニストの人数を比べれば前者が多いにきまっている。(銀行員=フェミニストかつ銀行員+!フェミニストかつ銀行員)よくよく考えれば、絶対1のほうが正しい確率は高いはずだ。
しかし、人はそういったことを忘れて判断しがちであるということだ。
ちなみに、山本リンダとは無関係である。

この問題の本題とは離れてしまうのだが、似たような状況が現代医学陰謀論にも起きている。

医師・製薬会社・行政機関・・・が一丸となって口裏を合わせ、データをつじつまを合わせつつ捏造し、市民を騙しているという1984年の政府のような離れ業が実際に行われているのか、それとも数人の医師が「あいつらは全員嘘をついている!俺だけが真実を語っている!」と嘘をつくのと、どちらがよりあり得る事態か、そしてどちらがより容易に実行できるかということを考えてみるべきだろう。
(マスコミは全部ウソをついている!ネットDE真実!という国士様もね)

さらに言えば、もし仮に本当に医師をはじめとする医学利権サイドが嘘をついていて、少数の「心ある」人間だけが真実を伝えようとしているのなら、その「心ある」人たちの言っていることはみんな同じであるはずだ。隠されている真実が一つあって、「心ある」人たちはそれを暴露しているはずなのだから。しかし、実際には言っていることはてんでバラバラである。
そして、一番忘れてはいけないのがその「心ある」医師も代替医療利権に関わっているということである。

さきほどのリンダ問題を友達にふっかけて、見事2を選んでくれれば愉快な結果になるだけだが、生きるか死ぬかの医療の現場ではそうはいかない。
変なトンデモ治療を受けて余命を短くするだけじゃなくて、さらにその余命におけるQOLも低下するという結果になりかねない。

現代医学を否定する陰謀論者は、実はもともと現代医学にたいして根拠もなく勝手に過大な期待を持っていたんじゃないだろうか。しかも、人は死ぬという事実をまっすぐ見ることができていない。(これは僕もなんだけど)
しかし、実際にはいまだに現代医学で直せない病気はたくさんあるし、人は不老不死にはなれていない。
その事実を突きつけられると、それは現代医学の「裏切り」だと感じてしまう。

現代医学陰謀論は、ストーカーが振られると過激な方向に行ってしまうのと同じように、「信じていたのに!裏切りやがった!!」みたいな自分勝手な怒りに震えた結果今度は現代医学を悪魔の術みたいに叩き始めた、というのが始まりではないのだろうか。

なおせない病気なんてないはず、いや、「あってはならない」
こんな観念に囚われてしまっているからこそ、詐欺代替医療の「実はこんな簡単に癌は治せるんです」という文句にコロッと騙されてしまう。

現代医学陰謀論者にもいろいろなタイプがあるが、結構「実は医学で癌はすでに治せる。が、それでは薬が売れなくなってしまうので本当の治療法は隠されている」という主張がなされることが多い。(治療法が隠されているのは、癌以外にも、HIV、虫歯…とさまざま。隠しているのはロックフェラー、だったりするそうですよ。)
実はこういう主張は、現代医学への根拠なき信頼の裏返し表現になっているような気がする。
隠してるだけで、ホントはどんな病気も治せるんでしょ?という信頼がそこに現れているようなきがしてならない。

まあなんにせよ、身近に騙されそうな人がいたらほっといてはいけません。