PQI Air Cardのシビアすぎる相性問題

豊洲で行われた第25回東京湾大華火祭を豊洲のタワーマンションから見せてくれるということで、せっかくだからカメラ環境を良くしようと思った。
今使っているカメラは富士フィルムのX20というやつで、一応ちょっといいカメラではあるが所詮毛が生えたコンデジであり、あまり「写す」部分はいじりようがない。
GPSロガーを買って、ジオタグをつけられるようにするか、Eye-Fi的なSDカードを買うか。これぐらいしかない。

GPSロガーはなかなかよさげな商品が見当たらないので、今回はEye-Fi的カードのほうにした。
X20はEye-Fiに標準対応していて、Eye-Fiを使うための設定が本体からできるようになっている。なので電波が届かないという心配はない。(カメラによってはボディで電波が遮られて使えない場合もあるそうだ。)
しかしEye-Fiは高いし、なにより「遅い」と聞く。これは色んなとこから出ている類似品にもほとんど当てはまるようで、とにかく全体的にひどいらしい。

そういう状況に一石を投じたのがpqi air cardだ。

写真を見れば大体想像がつくだろうが、この商品はストレージ部分はmicroSDにまかせてサーバー機能だけを持ったものである。
なので高性能なmicroSDを使えば、高性能SDカードに匹敵するR/W性能を出しつつしかもWi-Fi経由で画像を飛ばせる…はずのものである。

microSDの価格が安くなってきているので、これ+16GBのmicroSDHCで同容量のEye-Fiなんかより安い、というメリットもある。
さらに、中にはARMプロセッサーが動いており、機能の提供にLinuxが使われている。だから簡単にハックして遊ぶこともできる、なんていう情報もあった。
ただしEye-Fiにはついている無線LANアクセスポイントの位置情報から簡易的にジオタグをつける機能や、プッシュ送信機能はない。

結局、Eye-Fi高いしこっちでいいや、とUHS-1対応の16GBmicroSDHCとセットで買ってしまったのである。

早速試してみるものの…動かない。PCに刺しても認識すらしてくれない。microSDカード自体は問題なく動作しているので、もしかしたらmicroSDとの相性問題?と思って家にあった4GBのカードをさしてみた。(本体が壊れているとは考えたくなかった)
すると、今度は動く。
じゃあ、と思ってクラス10の16GBも試しに刺すと、これは駄目。次はクラス4の8GB。これは動く。
もしかして8GBまでしか駄目なのか?と思ってUHS-1の8GBを入れてみると、これも駄目。

色々ためしてみると、クラス4のカードではだいたい動き、クラス10とかUHS-1とかのカードでは全く動かない、という結果に。(もちろん問題は違うところにあるのかもしれないが)
R/W性能のために買ったのに、本末転倒な結果である。

その後でちょっと調べてみると、やはり相性問題で苦労している人が結構いるみたいだった。しかも、高速なカードで相性問題が出やすいらしい。

考えてみるに、消費電力の問題なのではないだろうか。実は先頭で述べたUHS-1かつ16GBのカードをこのPQI Air Cardにさしている状態ではPC据え付けのカードリーダーとカメラでは認識しないのに外付けのカードリーダー(USB2.0)を使うとPCで認識することができた。
(外付けのカードリーダーがこのなかでは一番電力供給に余裕があるだろう。)

ほんのわずかながら高速・大容量なカードほど消費電力が多く、そのわずかな差が認識できるかできないかを決めているのではないか。

これからWi-Fi機能付きカードを買おうとしているなら、正直こいつは避けたほうがいい。相性問題が起きれば何枚もmicroSDを買う羽目になり、結局高く付いてしまう。
だったら、多少高くても安全牌のEye-Fiのクラス10モデルを最初から買ったほうがいいだろう。